12時の鐘が僕を殴り付けるように響いた
さぁ、お家に帰ろうか
そう思って辺りを見回しても
一緒に来たはずの彼女がいない
何処へ行ってしまったのだろうか
そういえば…僕は何をしているのだろか…
そして…此処はどこなのか…
分からない
無意識に耳を塞いでいた
知りたくもない
聞きたくもない
見たくもない
もうやめてくれと
心と体が酷く拒絶している
腕に何かが張り付いたような感覚
なんだ…白い蝶…?
これは…モンシロチョウ…?
何かを訴えかけるような
目で蝶は僕の傍を離れない
"運命を受け入れて"
頭の中にそんなメッセージが浮かぶ
これは蝶からなのか
それとも僕の潜在意識に
存在するものなのか
目を開けたらそこに
瞬きさえしない彼女の笑顔が
張り付いていた
そして時刻は12:01を指していた
5/11/2023, 3:23:28 AM