たらことかずのこ

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おもちゃの指輪。電車に乗りながらじっと見る。
よくあるプラスチックのやつ。
傷だらけで、指にもはまらない。一見ただのゴミ。
でも、私にはいつまでも捨てられないもの。

指輪をくれたのは腐れ縁のあいつ。2歳年上。
なーーんにもない田舎にいる年が近い相手だった。
幼い一人っ子の私にはあいつが、憧れで、兄で、初恋だった。
そんなあいつが、突然アメリカに留学した時は本当に恨んだ。

「お迎え、ありがとう。美人になったな?」
そんなことを言いながら彼は私に小さなお土産を渡した。

その箱の中には私の物よりも輝いたものが入ってた。

8/17/2022, 1:33:26 PM