汚水 藻野

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「あの子にとっては、自分の話はすっごく難しくて、特別で、憧れなんだろうね」

誰しもが夢見る世界の英雄、それに自分は成ってしまったのだから。
仲間とともに世界の破滅を防ぎ、それを周りに讃えられ、誇りに思われた。

その話は、自分の人生においてどうでもいい、単なる一コマの話で。

「"そだなぁ、わやかっこいいと思うべ!"」

純粋な君は単なる一コマでも感動できる。
君は自分を羨ましいと言った。

自分は君が、羨ましかったよ。
何色にも染まれなく成った黒みたいな自分。
何色にも染まれる透明な水みたいな君。

でも同時に、怖かったんだ。

自分が君を、黒く染めてしまいそうで。

とりとめもない話じゃなくない?だって?

そう?自分にはこの話が単なる雑談に入ると思ったんだけどな。やっぱりズレてる?

「そーだよ、ズレてるというか別次元にいるみたいなさ」
じゃあ君の話を聞こうかな。
「ぜひそうして?」

_2023.12.17「とりとめもない話」

pk。主人公、ちょっとズレてるといい。

12/17/2023, 1:52:22 PM