ぬるい炭酸と無口な君
ここはポケモンと人間が共生する世界
この世界にあるコメダ珈琲は
今日もたくさんのポケモントレーナーとポケモンで
にぎわっている
「ほら見てヤドン!キレイなクリームソーダだよ」
向かいのソファのヤドンは
いつもどおりぽやーとして動かない
前足をテーブルに乗せ
お尻を座面にべったりつけて
特に抵抗もせずに座っている
「ヤドンの分は
店員さんが長めのストローをつけてくれてるよ
ここに置いとくね」
目の前にソーダを置いてあげたら
グラスを認識したようだが
数秒後 視線を正面に戻した
「ヤドン、ソーダ飲めないの?
ほら早く飲まないとぬるくなっちゃうよ」
グラスを持ってヤドンの隣に座る
口元にストローを持っていく
「さあ どーぞ」
ちいさな瞳でストローを見つめ
ゆっくりくわえると
くぴぴと飲んですぐにやめた
「あれ?もしかして冷たすぎるかな?
じゃあちょっと置いておこうか」
グラスを手で握って温める
おしぼりで結露をふきふき
「そろそろいいかな
はい どーぞ」
再び口元にストローを近づけると
今度はくぴくぴ全部飲んだ
8/4/2025, 9:40:36 AM