花灯

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遠雷

はじめは
空の彼方でくぐもる 遠雷
気づかれぬように
胸の奥でだけ鳴る鼓動

やがて
稲妻 のように一瞬走る視線
触れれば焼き尽くされると知りながら
避けられない

雷鳴 は近づき
「好き」の言葉になれずに
ただ心臓を叩き続ける

あなたは
傘をさして、何も知らない顔で笑う
その傘に入ることも閉じさせることも許されない

夜の窓に
閃光 が焼きつけたのは
ただの友達で終わるはずの
二人の影

そして
静けさを破り落ちる 落雷
届かぬ願いを焦がし
叶わぬ想いを焼き尽くす

最後に残るのは
雨音に紛れたすすり泣き
もう二度と
雷が近づかぬことを祈るしかない

それでも——
遠い空のどこかで
微かに鳴り続ける 遠雷
消えぬ想いのように。

8/23/2025, 1:48:10 PM