NoName

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今日のような星空の下で誰かと話をした気がする。
どんな話だったろうか。
誰だっただろうか。
いつだっただろうか。
どこだっただろうか。
なにか大切な話だった気がする。
気になって昨日は眠れなかった。
「眠〜い」
ピーンポーン
「あれ?
 もう17:00?
 寝てた。」
じゃなくて。
「はーい
 どちら様ですか?」
ドアを開けると知らない男の人がいた。
でも何か見覚えがある気がする。
顔はシュッとしてるけど、優しげがある感じのイケメン
「えっと…
 どちら様ですか?」
「憶えてないの?」
「?」
「とりあえず名前…」
「あっ
 俺は“髙橋カイト”」
聞いたこと…ある?
「えっと…?」
「今、年齢は?」
「15」
「2個上?」
「そう。」
「あっ。
 思い出した。」
「あ〜
 よかった。
 合ってた。」
「もしかして
 海ちゃん?」
「久しぶりっ。
 凛。」
笑った姿そうだな
「とりあえず上がって。」
「いやいいよ。」
「聞きたいことあるから。」
「えっ?
 聞きたいこと?」
「ほら上がって。」
「うん。」
「で?
 聞きたいことって?」
「昔に海ちゃんと
 なにか夜に話したなって。
 何話したのかなって思って。」
「あー
 それ…ね」
「?」
「忘れてっていったの忘れてくれてたんだ。」
「もっかい言うのハズいな」
「え?」
「好きです。
 付き合ってください。」
「え…?」
「前はフラれちゃったんだよね」
「えっ?
 私振ったの?」
「うん
 なんか実感ないからごめんって。」
「もったいな。」
「だからまた告白しに来てるんだよ。
 忘れられなかったから。」
「でもいいの?
 私なんかで。」
「凛がいいんだよ
 凜香だからだよ。」
「…はい。」
「え?」
「はい!」
「…」
「よろこんで。」
「指輪は買えなかったから」
海ちゃんがネックレスを持っている。
小さな星型のチャームがついた。
「あの星空思い出しちゃって。
 これあげる」
「かわいいー!
 いいの?」
「あげるために買ってきたんだもん。」
「付けたげる。」
「いつでもあの星空を思い出せるね。」
あの
最後のキャンプのときに見た
星空を。
「ありがとう。」

4/6/2023, 4:29:14 AM