夕陽が沈み、辺りは既に真っ暗で、大学からの友達よっことまりまりと何気なく歩いていた。
いつも歩いてる大学近くの道路は車通りが多く、信号の移り変わりが早くて他愛もない会話をしてるとすぐに青信号が点滅する。
私達は駆け足で道路を渡った。
オレンジ色の暖色ライトで照らされた一面には落ち葉がびっしりと張っていた。
3人分の影がくっきりはっきりと見える。身長差も分かる。背の高い私がずば抜けている。
私は思い切り落ち葉一面を踏み抜いた。くしゃくしゃ。
まりまりが興奮した様子でスマートフォンをポケットから出し、写真を撮る。私もそれを見て、スマートフォンを出しカメラアプリを開く。
毎回やっすいスマートフォンで根気強く撮影する私を褒めて欲しいと明かり調整ボタンと格闘しながらやっとの思いで写真を数枚撮る。パシャパシャ。
取れた写真を確認する。コントラストがハッキリしていて少しピンボケしているけど逆に味が出てる気がして満足した。
ふと気づく。このワンシーンは次いつ訪れるのか。
大学に入ってから純粋に楽しいと思えてる。だがそれはいつまでなのか、いつから変化しなければいけないのか。私はきっとその恐怖にいつも怯えていなければならない。
変化は常にあるべきものだ。私に変化が訪れない生活があるとしたらその時はきっと腐り落ち全てに絶望し、最期を迎えるときだろうと思う。
足下を見る。
この葉たちは次の変化のために落ちたのだ。元気に生えていた深緑から今は地に落ち枯葉となって次を生やすために。
私は次の深緑を生やせるだろうか。枯葉のままではないだろうか。
ぐるぐると胃から嫌な感じが込み上げてくる。毎回不安になる度に起こる現象。
私はこいつにじわじわくんと命名した。付き合っていかなければならないのだ。
未来の事は分からないそんなの当たり前だ。でもきっと戦っていくしかないのだ。
スマートフォンを再度取りだしさっき撮影した写真をInstagramに投稿する。すぐに友達からいいねがくる。それを見て私達は歩き出した。
2/20/2024, 4:43:02 AM