二人だけの秘密だよ。
そう約束したのは僕が保育園児だった頃。
だけど、誰と、どんな約束を交わしたのかは覚えてない。
なんで今更こんなこと思い出したのか?
それは、今僕の前に立っている人…いや多分人では無いな。
コイツのせいだ。
「だから〜、覚えてない?
君が、えっと、ほいくえん、だっけ?
それくらいの時に"ヒミツ"って誰かに言われなかった?」
「あったけど、それ以外の情報全部忘れた。
てか、誰?」
「あ、私?
どうも〜!狐の葉月です。
じゃなくて!
忘れてんのかぁ…」
「うん、忘れた。
で、何?」
「あれ、私。
ほんで内容は、"おっきくなったら結婚しよう"やったな。」
は?
「何言ってんの?嫌だよ。」
「そんなこと言わずに、ねっ!
私を助けると思ってさ!
大丈夫、男同士でも最近狐世界OKだから!」
え、あ、うん?
「え、お前、お、男なの?」
「え、うん。
あ、女にもなれるよ!」
…ま、いっか。
「…まあ、子供とはいえ約束したものは約束か。
いいよ。ついてってあげる。
どうせ、これからやることないしね。」
面白そうだし。
「ありがとう!
じゃあ、早速狐の山にレッツゴー!」
「え、ちょ、ま、うわああぁぁぁ〜」
5/4/2024, 12:06:28 AM