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この街には、黒く蠢く無数の何かがいる。
夏の夜の商店街。今日みたいな日は気配が強くなる。
今まで数多くの町を旅してきた。
閑静な行楽地もあれば、自然豊かな山の道も。
その中でもこの土地は、形容し難い恐ろしさを感じる。
なにもなけばいいのだが。

ハッと気配がし、振り返る。

なんということだ。

この街でそいつは、飛ぶ。

泣き叫びたい衝動に駆られながら、逃げようとしたものの
唐突な恐怖は体をこわばらせた。
どうか、ぶつかりませんように。祈る他なかった。

そんなとき唐突に現れた一台の飛ぶ車
時速80kmでそいつを轢き去っていった
車にはおそらく見えていないだろうし気づきもしていないだろう
とりあえず、救われたことに関して感謝するのであった

おわり

6/12/2024, 9:25:05 AM