昔、小さな魚が泳ぐ川と大きな魚が泳ぐ川がじいさんとばあさんの家から一山越えたところにあった。
じいさんは大きな魚を欲しがり、気の済むまでたくさん釣った。そのおかげで遅くなり、帰りは一夜を山で過ごした。
しかし、翌日の昼、家に着いた頃には大きな魚は綺麗な水色を失って腐っていた。それを見るやいなや、二人はがっかりした。
そんなとき、ふと、トンビが小さな魚をくわえて家のそばの畑におりたのに二人は気づいた。何度もくちばしで魚をつつき、何度ものどにほぐれた魚肉を通した。横取りされたが、悲しむ様子などとうてい無く、大きな翼を広げ、満足そうに飛び立った。
3/28/2025, 2:05:16 PM