君の奏でる音楽
形のない愛情が、音となって私に伝わってくる。
あの日、廃墟で見た控えめな、でも美しいピアノのメロディを今も覚えてる。
叶うならもう一度聴きたかったくらいに、綺麗な音だった。
だけど、もうそのメロディが私を癒す事はない。
悲しいくらい残酷な世界から、無差別に貴女は消されてしまった。
それを、私は守る事が出来なかった。
自分も同じ道を辿れば、貴女と同じ場所で、またあの音が聴けたのに。また貴女に逢えたのに。
君の奏でる音楽が、私を呪っている。
8/12/2021, 12:34:34 PM