秋晴れ。
小さい頃伯父と伯母と高野山に遊びに行った。
が、ここで私は車酔いを起こした。
いつまでも続く激しいU字カーブ、伯母に借りた携帯で直視する動画、すっからかんの腹…
思い出せば、全部車酔いを引き起こす要因だった。
山頂について、なんとかふらふら震える足で入ったうどん屋さん。
車で酔っていたとはいえ、お腹は空いたので一人前のきつねうどんに食らいつきました。
美味しかった。子供舌にもわかる昆布出汁が、秋が深まり冷え込んだ体に染みた。
後に伯母に聞くと、
「うどんを食わせたら、青白かった顔が一気に戻っていった。」とのこと。空腹とは恐ろしい。
元気になった私はひとしきり観光した。
帰り道、民家で営むカフェがあった。
店主は気の良いおばちゃん。明るい性格の伯母とはすぐ打ち解けて、子供にはよく分からない世間話を延々としていた。時々、こちらにも話を振ったりはしていたが。
わたしはその間、オレンジジュースを飲みながら、ぼーっと、早く帰りたいなぁと思っていた。
が、テラス席から目に入った空が綺麗だった。
今日一日を見守っていた秋晴れ。
車酔いをした私、観光ではしゃぐ私、お土産屋で妹への土産を選ぶ私。その全てを高野山の上から包んでいた秋晴れ。
春でも夏でも冬でもない、秋の晴れが美しい。
8/19/2024, 2:36:53 PM