外は嫌い。
うるさいし、目が痛いし、肌に触れる風でさえ苦しくなる。
「大丈夫?」
その優しい声も俺なんかじゃなくて、もっと他の人のために使ってよ。
優しくしないで。
「大丈夫」
あとから否定できたら楽なんだろうな。
あなたは俺が大丈夫じゃないのもわかってる。
これは『一人でいたい、大丈夫じゃない』を言えるようにする練習。
言えるようになるまで終わらないというあなたの言葉を思い出した。
「家帰ろっか」
嫌われた?
俺がずっと言えないから。
「うん」
バイクのエンジン音に泣きたくなる。
そんな大きい音出さないで。
家に着いて、あなたは自分の家のようにソファに座る。「さっきのバイクの音、大丈夫だった?」
「うん」
俺はあなたの隣に座って顔を見れずに答えた。
どう声をかけたらいいか分からなくて袖を引っ張った。
「どうした?」
「外、疲れた。」
絞り出した声は頼りない。
「うん」
それでもあなたは聞いてくれる。
「うるさくて、目痛くて、頭ガンガンしてる」
あなたはずっと耳を傾けてくれる。
「だから、一人でいたい」
7/31/2023, 10:14:01 AM