私の名前。
私の名前は、坂野あんず。私が生まれる前に両親が、見た桜の木のようなあんずの木に、雪が降っていたのを母も父も忘れられないくらい印象的な風景だったらしい❄
何となく、不思議で、キレイで、何処か、神秘的だな〜と、想った。
母から、聴いた。ーー私の生まれる前のセカイか〜🤔
ーー夕べ、FMのラジオを聴きながら母は、食器を洗っていた。
私は、リビングで宿題をしていた。
DJさんが、KANさんという歌手の訃報をきれいな声で伝えた。
父が、、KANさん亡くなられたのか〜?と、ぼんやりと呟いた。
『KANさんって、誰なの?』と、私は、訊いた。
父は、遠くを見ながら、『あんずは、愛は勝つっていう歌は知っているか〜??』と、訊いた。
『うん、お母さんが歌っていたのを聴いたことがあるくらい』
『そっか‥‥』と、父が言った。
『お父さんが若い頃に、FMラジオでKANさんと槇原敬之が、日曜日の晩に隔週でミュージックガンボっていうのがあったんだ〜。』と、また父は、遠い目をした。
『KANさんと槇原敬之は、お互いに、二人で、曲を一小節ずつ作って、、互いに歌を作ったりしてな~、槇原敬之が何時も、ラララという感じのスタイルの音入でKANさんが、
槇原君って、何時もラララですね〜(笑)☺と、ちょっと苦笑いしてたな~。』
お母さんが、食器を洗い終えて帰ってきて、こたつに入りみかん🍊に手を伸ばしてむいて食べた。
私は、ふぅ~んと、言った。
『あと、水曜日は、谷村有美ちゃんだったよネ〜(*˘︶˘*).。.:*♡』と、母は、言った。
『クリスタルボイス、Мステにも谷村美月ちゃんが出てきて、私、嬉しかったんだ〜💕』と、母は、乙女の顔していた。
『谷村有美ちゃん、Мステで、緊張しながら、一生懸命に歌ってたよね〜(*´∀`*)』
テレビをつけたら、KANさんの『愛は勝つ』が流れていた。キレイな旋律なメロディーだった。
前向きになるソングだったーー。
『同じくらいの年齢の歌手とかがいなくなると、寂しくなるな〜。』と父は、言った。母も、そうね‥‥と、言いつつみかん🍊を食べていた。
私の生まれる前のセカイもちゃんとそこにあって、私は、此処にいるんだ。
何となく、私は、知らないけれども切ない気持ちになった。
終わり
11/18/2023, 11:42:49 AM