快晴。それはこんな場所では二度とお目にかかれない景色だろう。霧で薄暗い森を見てそう考えていた。霧の森では時が止まったかのように景観が当時から変化していない。もちろん、それは天気や天候でさえもだ。記憶をそのまま閉じ込めていたかのように、何も変わっていなかった。もともと彼は特別晴れが好きだとか、天気一つに気分が左右されることは無かった。が、流石に毎日霧が立ち込めていてジメジメしていると嫌にもなってくるようだ。汗がしっとりとした肌を伝う不快感。上を向こうにも、生憎木々が視界を遮っている。この場所に来る前は天気なんてどうでもいいと思っていたが、今はとにかく涼しい風に吹かれて快晴の下で散歩でもしたい。
4/14/2024, 7:45:35 AM