「これは私にとって、0からのスタートなのです」
TVから聞こえてきたアスリートの声は凛として気合に満ちていた。彼はこれからアスリートを辞めてラーメン屋を営むのだという。
私は、0から? 嘘つけ、と思いTVを消した。
彼は0からといったけれど、まず0からの人はTVでインタビューなど受けない。アスリート時代の人脈もあるだろうし、何より知名度がある分、0からとは程遠いスタートだろうと思った。
そして考えてみる。
本当の0から、は、現代社会では難しい。何をするにも来歴が付きまとうこの世の中、本当に本当の0からなんて、言葉も文化も何も知らない異国の地に行ってことを成すぐらいじゃないだろうか。
そう考えると、世の中って世知辛い。
2/21/2023, 12:45:22 PM