しゃいねき

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⚠️既存キャラクター⚠️
君を照らす月のリーゼロッテ視点
思っていたよりも強かで重い
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パンプスのヒールが石畳を打ち、閑静な内城区に硬い音を響かせる。

今日は一段と底冷えのする夜だ。
こんな日は彼のことが頭から離れなくなる。

×××××、あなたは一体どこにいるのですか?
どうして何も言ってくれなかったのですか?

私の人生はもうめちゃくちゃになってしまった。
彼は突然現れて、散々私の心を奪い荒らした挙句、何も言わずに姿を消した。
…違う、勝手に狂わされたのは私の方だ。
彼を愛してしまった私が、勝手に期待してしまっていただけだ。
いつか、彼が私を愛してくれるのではないか、と。

どうして、ひどい、あなたのせいで。
彼への恨みは募れど、愛は一向に消えてくれない。
忘れようとするほどに、彼の笑顔が、歌が、鋭い楔のように刺さって二度と抜けない。

私がどれだけあなたを愛していたか、少しも知らないままあなたは私の元を去ってしまった。
それとも、知っていてなお私を置いていったのですか?
本当に、ひどい人。

私は毎晩、かつて逢瀬を重ねていた時のようにベランダで月を眺めながら彼の帰りを待つ。
心の内に秘めた浅ましい期待に思わず笑ってしまう。
帰りを待つ、だなんて。
私は彼にとって帰るべき場所でもなんでもないのに。

それでも希望を捨てられなかった。
彼にはきっと事情があるのだと。
それで私の元に姿を見せられないのだと。
そう信じていないと、今にもこの胸が張り裂けて崩れ落ちてしまいそうだから。

頬に涙が伝って、私は驚いた。
まだ私も悲しいと、寂しいと、泣くことができたのか。
溢れ落ちる涙を拭うこともせずに、ただ愛しい彼に想いを馳せる。
涙とともに凍りついていた時間が流れ出すのを感じた。
今はただ、月を眺めることだけで精一杯で。
壊れてしまわないように必死に閉ざしていた心が、解けていく。

今日も彼の歌が聞こえない寂しさを身に刻んで、自室に戻る。
その前にもう一度振り向いて、月に誓った。

もう惨めにあなたの帰りを待ち続けるのはやめます。
この痛みを抱えて私はあなたに会いに行くわ。
たとえ先が見えなくとも、いつか必ず巡り会えると信じているから。


"見えない未来へ"

11/20/2025, 3:23:50 PM