白妙

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【こんな夢を見た】


 こんな夢を見た
 何を目指しているのか分からないが、屋根の上を歩いていた。
 滑り落ちないように気を付けて歩きながら、隣の家の屋根に飛び移る。何軒も連なる屋根を歩き続けた。
 沢山の昼と夜が流れた。陽が昇り沈み、月が満ち欠け、星は巡った。屋根は次々現れ、歩みは止まる事がない。
 或る夜、ほうき星が目の前を横切った。思わず、その光る尻尾に手を伸ばした。
 あ、と思う間もなく、身体は空へ翻っていた。身体は軽く、落ちているのか浮いているのか分からない。足元に屋根は無く、身体は投げ出されたそのままの体勢で、重力から自由になっていた。
 私はほうき星の尻尾を掴み、ほうき星と共に空を流れていた。ほうき星は軽く尻尾を振ると、「ああ、見つかった」と笑った。






1/24/2024, 3:05:33 AM