🐥ぴよ丸🐥は、言葉でモザイク遊びをするのが好き。

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006【終点】2022.08.10

学校の写生会のとき、路面電車に乗って終点まで行くの、好きだった。終点まで行くと、なぜか電車に「おつかれさん」っていってあげたくなるんだよね。
普段は、下車するときは、必ず運転手さんに「ありがとう」っていう。でも、当たり前だけど、車両にはなんの感慨ももたない。そのまま下りて、普通に見送る。なのに終点までいくと、急に車体が生々しい存在として意識されだすみたい。レースを終えた競走馬のように、よく頑張ってくれました、と労ってあげたくなっちゃうんだなぁ。

うふふ。へんだね。
このお題に出会うまで、自分が無意識のうちにそんなこと感じてただなんて、知らなかった。

それとね。路面電車の終点って、ある意味始発と兼用じゃん。
さっき終点に着いて仕事を終えた電車が、クルクルクルと行先表示を替えて始発になる。それに一番に乗り込むときの、ガラーンとした車内の感じ。間もなく出発を控えた、栄えある一番乗りなのに、そこはかとなくただよう寂寥。この世界に、運転手さんと私とたった二人だけ。へたしたら、動かない電車の中で、一人きりで、運転手さんが一服から戻ってくるのを待ってたりする。
警笛一声、やっと走り出した瞬間って、これで全てが平常運転に戻るんだ、ってほっとしない?
私は、あの世からこの世に戻って行く感じがする。自分も電車も、終点兼始発から遠ざかるにつれ、生色を取り戻していくような。

私にとっての路面電車の終点のイメージって、この世の果てのちいさな死、もしくは、かりそめの終焉、なのかもしれないね。



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追伸。
昨日のお題、皆さんの文章にはげまされました。
感謝です(人´∀`)アリガトウ

8/10/2022, 12:46:22 PM