うぱ

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 気分が悪い。徹夜とまだ抜け切ってないお酒、頭の中で踊っているかのように鳴りやまない音楽がぐるぐると脳をかきまわす。遮光カーテンじゃないせいで部屋に少し入ってくる朝日が、私の睡眠を妨げる。早く眠りたいのに。

 今日、留年が決まった。それを知った足で友人たちと居酒屋へ行き、気持ちよくなったところでいつものようにお酒を買ってカラオケへ。

 昨日は留年とはこんなにもあっけなく決まるのか、とショックよりもその事に呆れる感情の方が大きかった。親に出してもらっている決して安くない学費。同級生の友達との一年の差。私にとってはこんなに大きなことがワンクリック、そして「原級」の二文字でこうも簡単に発表されるのか、と感慨すら覚えた。

 その後じわじわと焦りが募った。やってしまった。私はもう生きていけない。死ぬのではなく、生きていけない。そう思った。私たちが追い詰めた、あの生意気な弟に顔向けができない。

 三年ほど前、弟が自殺した。二歳年下で、十六歳だった。彼が死んでしまう二日前、両親が彼を叱っていた。当時、彼は高校留年の危機にあった。私も二人と共に彼を責めた。彼は、きちんと聞いているのか分からないような、無責任で適当な返事をしていた。その二日後、彼は行方不明になった。森の中で首を伸ばしてぶら下がり糞尿を垂らす彼を見つけたのもまた、両親だった。

 その私が、留年しても生きているだなんてどんな冗談だろうか。両親は私を叱らなかった。その事がまたさらに深いところに私を沈めた。

 しかし、確かにそう思っていたはずの私は、アルコールに与えられた幸福感と心地良い疲労感で、ふわふわと浮かび上がれそうなほど軽い心地でいた。昨日は生きていけないと思ったはずなのに。でも今だけは、眠るまでのこの僅かな一時だけは、それでいいような気がした。この気持ち良いまどろみの中にずっと居られればいい。願わくば彼も、こんな心地のまま死んでいればいい。

4/4/2024, 10:17:15 PM