きうり

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 生まれ育ったこの街が嫌いだった。
 1人で生きていけるくらいの資金を貯めたら、絶対にこの家から出て行ってやる──私はずっと、心に決めていた。
 新卒で入社した企業はそこそこ給料はよかったものの、昔ながらの悪しき風習がまかり通った会社で、上司のパワハラ・セクハラに物申せる雰囲気ではなかった。
 毎日残業して胃と精神を壊しながら貯めた100万円で、今日私はやっと羽ばたいていけるのだ。

遠くの街へ

2/28/2024, 10:48:51 AM