「実はさー、おれ明日引っ越すんだよね」「ハイ嘘ー!その手には乗らねえ!!エイプリルフルだろ!」「秒でバレたか……」「来年はもっとマシな嘘つけよなー!じゃあ、また明日!」そう言って、笑いながら手をふるお前は知らない。時計の針は12時を少し過ぎた位置にある事を。俺が本当に明日引っ越す事を。今日という日が、俺がお前と過ごした最後の日になることを。「……じゃあな」最後まで嘘をつけなかった俺は、遠のくお前にちいさく手を降った。
4/1/2023, 12:39:02 PM