匿名希望

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ただ歓喜で溢れる
土は泥になりながら恵を知り
芽は倒れながら養分を喰らう
人間は歪んだ顔を傘で隠す


ただ歓喜で溢れる
花は散りながら恵を知り
森は叫びながら養分を喰らう
そこで
赤い花弁の部屋をそなえた
1輪、凛と立つ花

憂鬱な蝶はそれを目におさめた

晴れ
ただ悲鳴で溢れる
たった1足で
土は崩れ
芽は踏まれ
花は踏みにじられ
森はなくなる

1輪、凛と立つ花
赤い花弁の部屋に
蝶はそっと身を委ねた



蝶よ花よ

8/9/2023, 1:57:52 AM