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最悪、反対方面のバスへ乗ってしまった。
適当なところで降りようにももうICカードをタッチしてしまった。こうなれば開き直ってバスに居座ろう、少しのドライブだと思うことにした。

バスに乗っているのは私だけで貸切状態だった。1番後ろの席に座ったこともありバスはとても広く感じた。

バスに揺られて遠くの知らない街まで来てしまった。ここはどこだろう?散策してみる。
商店街に入ってみると小さな駄菓子屋さんや古ぼけたゲームセンターがある。その一角に古本屋があった。
店に入ってみると初老の男性が店番をしていた。店には誰もいない。適当に本を取ってみてはパラパラとめくる。紙がめくられる音だけが店を支配する。店に並んでいるのはどれも古い本ばかりで惹かれるものはなかった。

ふと、カラフルな色使いの絵本が目に止まった。見覚えがあるものだ。どこで見たんだろう?
記憶と探ってみると思い出した。昔、祖母が読み聞かせをしてくれた絵本だ。懐かしいな。
パラパラとめくると懐かしい記憶が蘇ってくるようだった。

絵本を買って店を出た。たまにはこんなこともあっていいかもしれない。

遠い街での出会い、そう悪くない気がした。

遠い街へ

2/29/2024, 8:20:13 AM