狼星

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テーマ:ありがとう、ごめんね #26

※この物語は#20からの続編です

でも僕は、それを彼女に言うことができなかった。
僕が彼女の憎むこの街の王と王女の息子で、もうじき王となると知ったら、彼女はもうこうして自分と話してくれなくなってしまうのではないか。そう思ったからだ。
「話を聞いてくれてありがとう、暗い話をしちゃってごめんね」
彼女は苦笑いをした。
どうにもできない自分の未熟さが、憎たらしく思えた。
そして、自分はこの国を変えたい。
そう改めて想いを確信に変えたのだった。

12/8/2022, 1:51:41 PM