汚水 藻野

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愛くるしい笑顔。
圧倒的なセンス。
アカデミーで一番強い最強。

そんなことを言われたのはいつからだったっけな。あ、そうだ。ちょうどわたしが頂点に立ったところからだ。

大好きな仲間たちに囲まれて掴んだ勝利。

最初は嬉しかった。頂点に立てたことも、それを仲間と乗り越えたことも、全部嬉しかった。だから、わたしは笑顔でいた。
でもそれがわたしを大きく変えてしまう要因だと知ってしまった。

笑えなくなった。

「君は強いから、勝負したくない」
なんで?
「絶対負けるじゃん」
負けたら楽しくないの?
「そりゃ楽しくないよ」
そっか。

わたしも、楽しくなかった。

わたしの、隣に立てるほどの強さを持った好敵手がいなかった。
手加減。楽しい勝負。レベルの低さ。強い子たち。わざと。本気。
後ろしか向けなくなって。
前なんか見られなかった。

近所に引っ越して来たあの子が来るまでは。

その日からまた、わたしに本当の笑顔が戻ってきた気がした。

_2024.2.8.「スマイル」

孤独だった1人の天才的なお嬢様(戦闘狂)。

実って…きたね…♧pkmn。

2/8/2024, 10:21:04 AM