もし今
子猫になれたら
馴れてる振りして君に近づき
その膝にしなやかに飛び乗り
撫でて頂戴と擦り寄りながら
甘く可愛く喉を鳴らすよ
そして
油断し緩んだ顔をして
優しく私を撫で回す
その手を
そしてその愛を
肉が裂ける程に深く
この爪で思い切り引っ掻いて
驚き歪むその顔を見届けたら
君の手の届かない場所へ
二度と触れられない場所へ
逃げてやるのに
きっとその傷は
生涯消えない
あの日君が切り裂いた
今も血を吹き出してる
瘡蓋にもならない
この胸の傷のようにね
「子猫」
11/15/2022, 4:58:54 PM