「ねぇ、運命の赤い糸で繋がってるって言われたら信じる?」
ある時君はそう言った。僕にはどういうことなのか、どんな意味があって言ったのか分からなかった。
「信じてる人はいるんじゃない?僕は運命論なんて信じないけどね」
僕はそう冷たく言い放った。少し君の顔を伺うと何故か悲しそうな目をしていた。
「そっか。人それぞれだもんね」
君は辛そうに笑った。
そう言ってから君の姿を見ることは無かった。
あれから、あの会話してから、僕の時間は止まったまま。今になって君のことが大切だったなんて言っても遅い。それでも僕は君と繋がっていたことを嬉しく感じる。あの会話は僕が赤い糸の話を少し信じるようになったきっかけの話。
6/30/2023, 3:41:30 PM