NoName

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欲望だらけの人生を送っている。

楽してお金が欲しい。
仕事なんて休みたい。
そういえばあれを買いたい。
満足するまで寝たい。
好きなものだけ食べていたい。

叶わぬことを願うのが「ないものねだり」だなんて言うなら、
試しに一度、すべてを与えてみてほしい。

そうしたら更に「ないもの」を欲するのかな。
それとも、得られたものを蔑ろにするだろうか。

どちらも正解だろうね。
それほど満たされてない自分でも、何となくわかる。

周囲の人の優しさにだけは恵まれた自分は、
我ながら流石にどうなのかと思うくらい人間に関心がない。

自分の世界に閉じ籠って買い漁った趣味の品は、
手に入れた側から見向きもせずに部屋で埃を積らせる。

既にそこにあるものや自ら手に入れたものは、
「欲しいもの」ではなくなってしまうのだな。

何かを大切にするという心が欠けている自分は、
何かをほしがるには、まだあまりにも未熟な存在のようだ。

「愛しあう関係性が欲しい」とは感じない性格でよかった。

いざ、目の前に理想の人が現れて都合よく愛されたとしても、
きっと自分はその人に悲しい思いをさせて傷つけるから。


お題:ないものねだり

3/26/2024, 7:14:26 PM