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恋は上書きされるものだと思ってた_

いつも通りに吹く冷たい風と
いつも通りに私たちを照らす夕日と
いつもとは少し違うあなた
珍しく私の目の前に立つあなたに
少し違和感を覚えながらも
いつも通りにしていた

あなたの方を向くと
あなたの顔はやけに真剣で
今から改まった話でもしようとしてるのか
と思ってしまうほどだった

ふと固く閉ざしたあなたの口が開いた
言われる言葉は分かっていたのかもしれない
いや、分かりたくなかったんだよな
どうかいつも通りでいようとした私は
笑いながら聞き返した
それであなたの言葉が変わる訳もなく
私の瞳から溢れるものが
あなたの心と私の心を引き離した

ひとりぼっちの帰り道を照らす夕日が
私たちの別れを静かに告げている
もう影は私ひとりだ
いつもと同じはずの買い物袋が重く感じる
いつか思い出になってしまうのなら
せめて最後は笑いたかった
綺麗に散りたかった

なんて昔の記憶を思い出しながら
またこの道を歩く
久しぶりに帰ってきたよ、ただいま
忘れたくても忘れられなかった

この道。

10/17/2022, 1:06:07 PM