フレア姫

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お題 部屋の片隅で

私の部屋の片隅に、小さな小さな座敷童子がいる。この家に移り住んだ時から、ここに立っているそうだ。

座敷童子は私にしか見えない。昔家族に訴えたこともあったが、誰も見えなかったのだ。

普通こう言ったアヤカシは、大人になると見えなくなるらしい。だが大人になってもまだ見えているのだ。

どうして私にだけ見えているのだろう?

「オマエハ アブナッカシイ ヤツダカラダ」

危なっかしい? えっと、今の声は座敷童子なのかしら?

「ソウダ オマエハ オボエテイナイガナ」

覚えていないとは?なにか危なっかしい事が遭っただろうか?

「オマエハ ムカシ ジコニ アッタノダ ダガ ワシガ タスケタノダ」

そう言えば母からそんな事を聞かされていた。でも助けられた?どういうことか?

「アノトキ トップウヲ フカセテ シンゴウヲ ツッキロウトシタ オマエヲ ツキタオシタノダ」

母からも同じような話を聞かされた。本当なら車に轢かれて死んでしまったかもしれないと。

「ダカラ オマエヲ ココデ マモッテイルノダ」

私にしか見えない座敷童子は、きっと明日も明後日も、部屋の片隅で私を守り続けるのだろう。

12/7/2023, 12:11:31 PM