みの

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「力を込めて」
10月17日、この日は私の大切な日だ。大切な日と言っても、誕生日や何かの記念日でもない。10月17日は、私が高校生活一番に力を注いでいたピアノのコンサートの日だ。今まで、何度もコンサートに出ていたがこんなに緊張したことはない。それもそのはずだ、私にとってこのコンサートは、それはよく言う甲子園のようなものだから。私は、10月17日までたくさん練習をしてきたし、先生だって褒めてくれた。
「貴方なら、きっとこのコンサートも成功させれるわ!」
けど、そう褒められるたびもっと頑張らなきゃと自分を追い込んでいってしまう。前のコンサートのときもそうだった。先生や親に褒められ、「もっと頑張んなきゃっ」と朝から夜まで練習をしていたのだ。その結果、私は、コンサート前日に体調をくずしてしまったのだ。しかし、そのときはすぐ回復したけれど、今回は分からない。そして、沢山の不安を抱えたままコンサート当日になった。私は、緊張の汗が止まらなかった。私が、緊張と不安でドキドキしていると、後ろから肩をたたかれた。振り返ってみると、そこにはまるでフランス人形みたいに綺麗な人がいた。彼女は、にっこりと私に微笑むと耳元で囁いた。
「大丈夫。大丈夫。今まで頑張っんだから失敗してもいいよ」
彼女は、優しい言葉を私にかけた。本来なら、感動するところだか私は、無性に腹がたった。なぜ、私は頑張ったのに失敗してしまう前提で話しているんだと思ったからだ。そして、私は絶対に彼女に負けないとその時誓った。そして、私は力を込めてステージに立ち上がった。
(フィクション)

10/7/2023, 6:29:17 PM