深夜。
どっぷりと闇色の絵の具に浸かったように真っ暗な藍色。
頬をやんわり生ぬるい風が撫で、視界をネオンが彩る。
東京は、いつになっても活気を増したまま。
今日は、確か渋谷辺りだったかな。
人通り。ばらばらにばらけて、夜を練り歩く人々。
その中の独り。銃口を向ける。
人気の無い路地裏。人の群れは遠ざかっていく。
さよなら。
カラフルなネオンが身体を突き刺すように煌めく。
彼女は、うっすらと笑みを浮かべた。
さあ、夜はまだまだこれから。
『ミッドナイト』
1/26/2022, 11:15:21 AM