病室の窓から顔を出すと
港のお祭りが見えた
小4のー6月の事
行きたいけど行けないの
入院してるから
「足が痛くて歩けない」
学校にも家にも居場所がなくて
とっさについた、大嘘
嘘だと知りながら
入院を勧めた担当医
お祭りは楽しそう
行けないけど
この病室で初めて
友達を作る事ができたの
夜中に2人で抜け出して
人形劇のセリフ練習したり
同じ髪型をして
双子みたいになったり
でも、彼女は重病だった
ベッドの周りにある私物は
その生活が長い事を物語る
1ヶ月ここにいて
私は学校に行く勇気をもらった
そして
お別れの時がきた
私の退院の日
車の後部座席の窓から
病室を見上げると
病室の窓から
大きく
大きく
手を振った彼女
「元気でね!いつまでも友達だよ」
お互いそう固く心に誓って
手を振りあって
泣きながら別れた
こんなんで泣いたの
生まれて初めて。
入院中
彼女の気持ちを
傷つけてしまった事がある
それは 彼女の恵まれた家族
に対するちょっとした嫉妬
私の母親は病弱でネグレクトで
父親はDVだったから
でも、彼女は
ずっと付き合う病気と
闘いながら
とても大人だった
それから文通で繋がっていたけど
活発になっていった私は
いつの日からか
彼女を忘れた
最後に届いた手紙
「こんにちは!覚えていますか?
○○です」
入院生活のおそらく続いている
止まった記憶のそのままの彼女
180度性格が変わって活発に
生きだした私
返事出さないまま
終わった
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これは、実話
思いやりで繋がるというのも
違うとは思うけど
後味の悪い
終わり方して
申し訳ないと、たまに思い出す
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9/25/2022, 3:04:06 PM