りゃん

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『好きじゃないのに』

「ねね、聞いた?」
こう始まる話はロクな話ではないが円滑なコミュニケーションとして相手に合わせるようにはしている。
穏便な学校生活を送るためだから多少の事は仕方ない。
「○○君がミキの事が好きらしい。」
「えー嘘でしょう!!ヤバっ。」
○○君は学年のアイドル的な存在で度々話題に出るほど女子人気が高い。
「えー○○君は皆のものだから誰か一人のものになってほしくないー。」
雲行きが怪しくなってきた。
私は好きじゃないのにていうかそんな感情生まれてこのかた感じたことないのに・・
「噂でしょ?」
何とか話の流れを変えたかったが無理があるか・・
「噂じゃないよA組の子が好きな子がいるからって振られたんだって。その子の後に男子達が誰だよって詰め寄った時に名前がでたらしい。」
完全なアウトだ。不穏な空気を感じる。
明日から私はどうなっちゃうんだろう。
「あーね。」それしか言えなかった。
私は好きじゃないのにって心の中でつぶやいた・・・。

3/26/2023, 12:32:51 AM