NoName

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あぁ、あれは随分前の出来事だね。
僕は幼なじみと喧嘩別れしてしまったんだ。そこから時は流れて高校生。
ようやく再開できたんだ。けどね、彼は僕の手の届かないような、遠い存在になっていた。
「ごめんね」の四文字がなかなか言えなくて更に時は流れた。そして、高校卒業の日。サクラの木の下で僕は立っていたんだ。そうしたら、息を切らして走ってくる彼がいたんだ。
彼がいった。「ごめんね」って。
そして僕もようやく言えたんだ。
「ごめんね」って。
数年越しに仲直りができた。

3/29/2024, 10:33:33 AM