〈紅茶の香り〉
仕事が終わり、久しぶりに駅前にある雑貨屋へ向かった。今日、同僚が勧めてくれてその雑貨屋の紅茶が美味しいとのことで。気づけば自然と雑貨屋へ向かっていた。
店内はこじんまりとしており、なんの曲かは分からないが、オルゴールが店内を潤していた。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
20代あたりの女性が声をかけてきた。丁度、自分の妹と年齢が近そうでいつもであれば断るが、今回は答えてしまった。
「紅茶を探してて。同僚がここのアールグレイがとても美味しいと聞いたので」
「ありがとうございます。こちらの商品がうちの目玉商品です」
同僚が見せてくれた商品と同じパッケージをした小さな小袋だった。
「じゃあ、これを1つお願いします」
私は会計を頼み、店を後にした。
小さな袋に入った小袋からふんわりと香りがした。
10/28/2024, 8:12:06 AM