テーマ:大好きな君に #112
私には、小さいから仲良くしていた友達がいた。
彼女は不慮の事故で事故死した。
突然のことだった。私は理解できなくて、現実と架空の世界を行き来していた。
架空の世界にいる彼女は、本当に今も生きているかのように元気で、私に笑顔と勇気を与えてくれる。
そんな私を見て両親は
「現実を見なさい」
そういった。
「いつまで引きずっているんだ」
そう言われたとき、あぁ、この人たちにとって彼女はもう過去の人でしかないんだと思った。
大好きな君がもうこの世に存在していないんだと知るのが怖かった。認めるのが怖かった。
大好きな君のことを忘れることが怖かった。
私はその日、泣いた。涙が枯れるまで泣いて、泣いて、泣きまくって。
次の日には普通の人と同じ、現実の世界で生きていた。
彼女の墓参りに行った。彼女はここにいる。そう思った。もう私の手の届かない、遠い場所に行ってしまった。そう思うと鼻の奥がツンとして、また泣きそうになった。散々あのとき泣いたのに。
彼女を思い出すたび、あの優しい笑顔を思い出す。
大好きな君に伝えたいのは、また、会いたい。
また、転生して私の近くに来てよ。
私を励ましてよ。ただいまって言ってよ……。
一言なんかじゃ収まりきれない。
あなたのことが大好きだから。
3/4/2023, 2:15:33 PM