星空の下で
あれはいつの事だっただろうか…
春の暖かい空気と甘いかすかな香りで目が覚めた。
電柱に止まっている鳥たち、ゴミを捨てこれから会社に行くサラリーマン、いたって普通な毎日にため息が出る。
ベットから起き上がり、パソコンを起動する。
画面上には昨日投稿した動画が映ってあり、
すぐ近くにはコメントが寄せられていた。
カチッ
「やっぱ説さん最高だわ~」
カチッ
「私の推し最高~」
カチッ
「おもんない~私の時間返してよ〜」
カチッ
「説なんてクソだろwwwまだ俺のほうがおもろいわww」
カチッ
「キモッ」
カチッ
「誰だよキモい言ったやつ」
…
コメントを確認し終えると、また次の動画を撮った、ベットに向かって仰向けに飛び込む
窓の隙間から桜の花びらが入り込んできた。
あれはいつの事だっただろうか…
確かあれは……
私がまだ幼く、兄と父が生きていて、母か元気だった頃、ある日突然兄が家族みんなで、満開の枝垂れ桜を星がいっぱいの夜に見に行きたいと言い出した。兄が自分からどこかに行きたいと言い出すのは初めてのことなので両親と私は涙目になりながら喜んだ。
星空の下で見る桜はピンク色の宝石のようにキラキラしていた。言葉が出ないほど綺麗な桜に私は一瞬で目を奪われてしまった。
「ここの桜とても綺麗ですよね」
突然隣に立っていた銀髪の少年が声をかけてきた…
優しそうで整った顔だちの彼に私は一瞬で恋に落ちた…
これを一目惚れ…というのか……
…現在…
落ちてくる花びらを見つめていると、一階から声が聞こえた…
「せつぅ〜朝飯出来たぞぉ〜」
「は〜ぃ…いま行く〜」
「おっ今日もうまそうじゃん!」
「ありがとぅ~雪」
「ハハかわいいなぁ」
今現在、あの日の少年は私の恋人になった…交際をするのに他者からの反対意見が多かったが、私達恋に他人の意見なんて必要ない…たとえ…たとえ…
男同士だとしても
4/6/2023, 3:17:12 AM