スピナーの白いインクを拭っていると、同じガラのTシャツを着た少年が隣に座った。
ツバ広の帽子の下、お疲れさまです、と朗らかに笑う口が見える。
次も勝てるかな、と問うのが日常のこの空間に、少年は少しだけうつむいて、
「フランスでも、ガザでもウクライナでも、同年代が戦ってる。本気を出し惜しむ理由なんてないです」
生きることが、苛立ちの連鎖にならないよう、我々大人には何が出来るだろうか。
「その麦わら帽子、カッコいいね。わたしも次からそれを被ろうかな」
親指を立てた同意をもらって、立ち上がる。
※スプラフェスお疲れさま!
【麦わら帽子】
8/12/2024, 3:03:12 AM