竹下通りすがり

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 プレゼントなど、親が子供に最初に教える社交辞令だ。親は子の選ぶプレゼントひとつひとつに、大袈裟なリアクションをとる。電池式や充電式の音やライト付きオモチャ、笑う子供の写真とともに掲載されている人形とその付属品たちでは、高いとか来年には興味がなくなるとか。じゃあ、好きな食べ物やお菓子というと、そんなんでいいのとか食ったら無くなるよとか。現金や金券では、つまらんと言われ、靴や鞄などお前には早いと。
12月にポストに小冊子の広告をいれてくる某オモチャ屋や、安さ勝負の家電量販店に連れていく。 デカイ鏡と窓、全てONになったモニターども、明かり売場と変わらないほどどこも蛍光灯で照らされている。目がチカチカして商品を落としそうだ。それで傷でもつけさせて買わせるのが狙いか?そうなのか?
 その明かりを反射するホワイトタイルの上をだらだら歩く。無論暗くて影のある方向へ。そうすると自ずと、エスカレーターにでもたどり着く。まだだらだら歩くと、自動ドア前の靴裏汚れ落としマットに。はい、天井低め、売場の下にある地上駐車場。
 「おかーさん、くるまほしい」

12/23/2022, 12:44:10 PM