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突然の別れ

きっかけはなんだったか。
疲労が爆発した際、物を捨てることで発散をしていた。
突然やってくるそれを「その時」と呼び、制御することをせず、心を放し飼いにし、安寧を保っていた。

物はなんでも良いのだ。
好きな人に渡せなかった贈り物、中学だったか部活を引退する時に後輩から贈られた色紙のような思い出の品、いつか取り組むと思われるやりたいことリスト、など
自虐行為に近かったが、身の回りの整頓は心の調整に最適であった。

ある時、「その時」がやってきた。
心は乱れ、涙は止まらなく…など、疲労の爆発である。
ゆっくり息を吸い、呼吸を止め、吐き出し、それを繰り返し、
よし、捨てを、するか、と前を向いた先にあったのは鏡。
目の座っただらしない自分、の、腹が映っていた。
素っ裸で荒れていたようだ。
そういえば自分の物や思い出、魂と呼べるような生き甲斐すら捨ててここまで来たが、自分の体を捨てたことはなかった。
体…。体かあ…。この感情の爆発、勢いでできること…
……………
……………走るか………。



それ以降、筋トレに目覚めた。
きっかけはなんだったか。
ふとした思いつきで走っただけだった。
マッチョになった自分の姿を見て、育て上げた筋肉がささやく。
君が努力をしたから今の僕がある
そのきっかけを産むために捨てられた君の思い出も
きっと無駄ではなかったんだよ

筋肉が、体力となって自分に言い聞かせてくる。
もう突然自分の身を削る行動は、しないように。
自分の身を自分で傷つけるのではなく、守れるように。

突然の別れ

5/19/2024, 1:06:04 PM