005【上手くいかなくたっていい】2022.08.09
子どものときから失敗に対して、すごく恐怖感というか、忌避感というか、あった。一回でも失敗したら全部終わり、みたいな。その恐怖感は、いまでもめっちゃある。だから、新しい所や人間関係に足を踏み出すのは苦手、どころではない。できたら一切やりたくないくらい。
こんなふうに育っちゃったのも、子どもの頃はそーゆー教育が標準だった時代だったからやむを得ないし、まぁ、絶対に失敗させないようにレールを引くタイプの親だったし。
なんかねぇ、どうせやっても上手くいくわけないし、最初から手を出さない方がマシだよ、みたいな諦念ばかりが、パン種を発酵させるみたいに膨らんで、今に至ってる。
でも、冷静に考えたら、「一発で上手くいく」こと自体が不自然なんだよ。親も先生もそれを望むから、そーゆーもんなんだな、と思い込まされてしまってたけど。
どんな物事も、【仮説→実践→失敗→検証→新しい仮説の立直し→実践→失敗→……】のサイクルを何度も回して、やっと、成功するわけだ。ひょっとしたら、ちゃんと成功に向かっているかもわからぬままに、とにかく実践し続けるしかないときもあるわけで。
「上手くいかなくたっていい」っていうのは、あいかわらず「上手くいくのが標準で、上手くいかないのは例外」みたいな含みが感じられて、ちょっとしっくりこない。
実際のところは、むしろ、実践が成功することのほうが例外なんちゃうんかな。ほら、歪なのも整ったのも、ありとあらゆる四角形の中で、例外中の例外が正方形であるような。実践の成功も、正方形も、踏まえるべき条件をもらさず踏まえてないと成立しない、ってとこがお互い相似形だよね。
ていうことはさ、成功ってそもそも例外だから。
だからこそ、成功率、つまり、例外である成功を確実に成立させる確率だよね、を高めるために、失敗を繰り返しながら努力するのとちゃうんかな。失敗を通して成功のための条件を洗い出し、きっちり身につけるためにさ。
そう考えると、成功率100%で工芸品を生み出す伝統工芸の職人さんって、まじリスペクトだよね。あの人たちは、一挙手一投足が正方形になるまで、実践と失敗を何度も繰り返したわけなんだから。
【おばさんになったいまでも失敗が恐い私にしっくりくる表現は、新しいことに挑戦する勇気を鼓舞してくれる表現は、どんなんだろう?】
今回のお題は、そんな新しい謎が残った。
あ、でも。考えるネタが新しく増えたのは、それはそれで、めっちゃわくわくしてる!
8/9/2022, 1:00:43 PM