「白猫ハクと同居人」
夜になって、ボタボタと雨の音が聞こえてきた。
ボクはこの音が嫌いだ。
否応にも子猫の時を思い出す。
箱に入れられて、置いていかれた。
次第に辺りは真っ暗になり、ボタボタと雨が降ってきた。何が起こっているのかも分からず、ずっと丸まっていた。
こんな日は、同居人のベッドに潜り込む。
「ん……?ハク、いらっしゃあい」
同居人はボクを「ハク」と呼ぶ。
最初は何の事か分からなかったが、名前だと気づいてからは「ハク」と呼ばれると嬉しくなる。
「なぁに?雨の音怖かったの?」
『違う、お前が怖がってないか心配だったんだ』
「ハクは怖がりさんだねぇ」
だから違う……!
11/15/2022, 11:59:25 AM