放課後____
いつかの日記
廊下の奥から聞こえてくる雑音。黒板の端には日直の名前が書かれ、チョークが少しかすれている。
窓から仕込む淡色の光。木の葉がざわざわし始め、教室に、影をもたらす。青空の下には笑いが耐えない生徒たちが今日もいた。
学校中に鳴り響いた下校チャイムは私の耳をすーっと通り抜けた。誰もいない教室に、クラスメイトたちの残像がかすかに残っている。
私は廊下側のロッカーに背もたれをついズルズルと腰を下ろし、窓の外を見た。風が窓の隙間をうまく通り抜ける。学校の済からすみまで蝉の鳴き声が聞こえた。暑いけどどこか涼しかった。
そろそろ部活に行かなきゃ怒られる。そうわかっていても体は動かなかった。ゆっくりと一度だけ深呼吸をする。
人もない、誰もいない、そんな学校が、教室が、
少しだけ居心地がよかった。
10/12/2022, 10:06:34 AM