NoName

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きっと、星は甘いんだろうな
あれだけ星があるなんて、まるでお菓子みたいだね
食べるとしたら…うん、一番星!
だって、一番美味しそうだもん!

満天の星空の下、笑顔で言った彼女は、 もう居ない
彼女と最後に過ごしたあの日も、彼女は同じ事を言った

星はね、天国に行った人達の魂なんだよ
ほら、流れ星
今この瞬間に、星になったのかな
私も、星になるのかぁ…

寂しそうに呟く彼女
ぎゅっ、と彼女の手を握る
ゆらゆらと彼女の瞳の奥が揺れる

私、空から見てるよ
生まれ変わって、あなたの所に戻るよ
だからね、忘れないで
時間が掛かるかもだけど、待っててね
絶対に、あなたの元へもう一度行くからね
大好きだよ

ピー…
無機質な機械音が、病室内に響く
彼女は、笑顔だった

キラリ

流れ星が、光った

4/6/2024, 2:47:48 AM