ぺんぎんさん

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これはある夏の日のはなし。

この遠出に意味なんてない。だけど、この思い出は一生の宝物だよ。

私は親友と一緒に遠出をした。
この、狭い世界から逃げ出すために。
いつかやってみたかったの。学校に行くふりしてどこか遠くの場所へ遊びに行くこと。いつもと反対方向の電車に乗って、新幹線に乗って着いた先は夢の東京。東京には人がたくさんいて、周りを見渡す限り高いビルばかり。
気づくと日はだんだん落ちてきている。今日はたくさん歩いたね。都会ってすごいや。夜なのに、きらきら輝いていて夜じゃないみたい。この思い出を写真に収めたいと思い、切っていたスマホの電源を入れる。不在着信が何十、何百と通知が入っていた。
そして、電話がなる。
ワンコーラス、ツーコーラス、スリーコーラス。
そして不在着信がまたひとつ増えた。
ごめん、だけれども私はもう少しだけ今のこの時間を楽しみたいの。
"3日後に帰ります"
それだけをL!NEに送り、写真を撮ってまたスマホの電源を落とした。
─────────────────
楽しい時間はすぐに過ぎていった。家への帰り道。
「やっぱり怒られちゃうよね」
「それはしょうがないよ」

この遠出には特に意味は無い。だけどこの出来事には確かに何かがあった。

当たり前だが私と親友は両方とも家に帰るなりすぐに親に怒られちゃった(笑)

でも、怒られたことも学校へ行くふりして東京に行った時の電車も全部含めて楽しかったな

私ね、これだけは言えるよ。

自分がすること、したこと、好きなこととか興味があるもの。全部全部、特に意味がなくてもいいじゃん。この人生、何事もやったもん勝ちだよ。

2024.11.8.意味がないこと #08

11/8/2024, 10:35:44 AM