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【月に願いを】

あの日は本当に暑かった。セミの大合唱で尚更暑く感じたわ。そんな日に公民館でバーベキューしたんだ。毎年恒例の地域行事って言うのかな?もう暑くってさ、手伝いサボって近くの公園で水遊びして楽しかった記憶あるんだ。まぁ本題はここからなんだけど、帰りは歩いて帰ってたの。両親はお酒呑んでて車運転できないし、家まで歩ける距離だったからね。その時両手繋いで歩いてさ夜のお散歩って感じでそれはもう楽しかった。なんか子どもの頃って夜に外出ってなかなか無いし、特別感あるじゃん。でね、空見上げたら満点の星空!田舎だったから尚更よく見えたわ。遮るものが全然なくてね「あぁ地球って丸いんだ」って思うほど綺麗に空が見えて感動したな。「これはこぐま座、あれは夏の大三角形」っていろいろ教えてもらって、あんまりよくわかんなかったけど、キラキラした顔で教えてくれるから嬉しくってたくさん質問したんだ。「どうして月って私たちに着いてくるの?迷子?」ってそしたら「月はいつでも私たちを見守ってくれるの、例え朝でも」って教えてくれたの。それが特に印象的でよく覚えてる。今でもずっと。もうあの場所には住んでいないけど、またあんな風に過ごしたいなってたまに思いだすの。もう子供でもないし時代も変わったから無理なんだけどね。でもせっかくだからお願いしてみようかな、どうか叶えてお月様。

5/26/2024, 3:14:22 PM