NoName

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冷たくて澄んだ空気が、小さく震えた。

その途端、体温と心拍数がすこしだけ、上がる。
君からだとは限らない。
……けれども。
期待を込めて、画面を覗き込む。
映りこんだわたしの顔は、不安に揺れていた。

ぱっと、次の通知がきて、ロック画面と共に君からのメッセージが表示された。
『おつかれさま』
『週末空いてる?』
心がふわふわと躍るように軽くなった。
きみに、誘ってもらえるなんて。
『空いてる!』
この気持ちが少しでも、きみと同じ方に向いていますように。そんなささやかな願いと共に、送信ボタンを押した。

9/15,

9/15/2022, 1:29:17 PM