スーッと音もなく来た白髪の老人が、私の目の前に立ち止まると、私にこう言った。
「あなた、神様にならない?」
季節の変わり目には頭のネジのゆるんだような人が時折り現れるが、この人もその類いか。かかわらないのが1番。無視して私は歩きつづける。
「いや、ちょっと待って。変な人じゃなくて、どっちかって言うと変な神様なんだけど。」
いよいよヤバい。私は小走りになった。
「もう!じゃ、これなら?」
そう言うと老人はパッと消えたかと思うと、目映い光の玉となり上昇し続け、今度はその光の玉が空からゆっくり私の目の前に降りてきて、光の中からイケメンの青年が
「俺様、あ、間違えた。神様降臨、なんちって。」と言いながら現れた。
「こういうの人間は感動する?え、あっ!ちょっと!」
その声を聞きながら私は卒倒したのだった。
お題「神様が舞い降りてきて、こう言った」
7/27/2024, 11:47:26 PM